
ごあいさつ
私は株式会社旭川ビニールの代表取締役となってこの2023年で10年目を迎えることができました。これも一重に農家様をはじめとするお客様の皆様、メーカー様、卸商社様、社員、そして友人と家族のお陰と心から感謝申し上げます。
弊社は1964年(昭和39年)第1回東京オリンピックの年に設立され(創業は1957年)、今年で59年(66年)を迎えます。
私の父である初代社長の故大谷二朗はことあるごとに誰彼構わず!「これからの日本の農業は、、」と持論を語っていたのを、私は小さい子供ながら覚えております。
私は10年前までは医業とCell Biologyしか知らなかったといってもよかったのですが、この農業に携わる業界に入り10年目になり、また昨年からは北海道農業資材商業会(北農商)の会長となり、亡き父と同じように「これからの日本の農業は、、」と考えている自分に驚いています(父のように誰彼構わず言ってはいませんが)。
やはり、多くの方がご指摘なさっていますように、これからの日本の農業は、食糧自給率をもっと上げなくてはダメだと思います。ご存知のように、北海道の食料自給率は200%ですが、日本全体の自給率は30%代で、先進国の中では断トツの最下位です。
日本全体の自給率を上げるには、北海道以外の自給率を上げるか、北海道での生産性をもっと上げるか、あるいはその両方かと思います。勿論、北海道以南の温かい地方の作物生産性を高めこることも必要ですが、この地球温暖化による異常な高温に対して難渋しました(例R4年のイチゴ、「第69回 旭ビ教養講座」参照)。
一方、北海道も異常高温(特にR3年)に苦しみましたが、その年の収穫が終わって、「ゆめぴりかでなくてコシヒカリにすればよかったな~」という冗談を言う農家の方もいるくらいで、北海道では温暖化が進めば、本州の作付けをすればいいことになります。北海道の生産性を上げることが、日本全体の自給率を上げるには効率的ではないかと思います。
また、当然生産性を上げるために、生産者である農家の経営が安定することは必須の条件で、農作物を適正価格で買い取り、また価格の安定が必要だと思います。
さて弊社は今年からスローガンを掲げ、農家様のお役に立ちたいと思っています。そのスローガンは「Seven samurais」です。弊社の名前は、旭川ビニールですが、そのカバー範囲は広く北は多寄・名寄、東は北見・網走、南は日高・新冠、の西は今金・北檜山までカバーしています(一時期には、青森まで“出陣”していました)。
これを弊社営業マン7人でカバーしているのですが、黒沢明監督の有名な映画「七人の侍」にあやかり、「旭ビの7人」と名付けています。映画では、7人の侍が農民を守るために立ち上がり戦うというストーリーですが、弊社の全道に展開する「Seven samurais」は、迅速な情報共有・交換を行いその機動力を生かし、one team として農家様のために“戦っています”。先日も、北見地方で使われなくなったカオンキ(暖房機)を今金地方まで輸送し、両農家様に喜んでいただきました。また、個性的な「Seven samurais」には、90度曲がった100m級のハウスを建ててしまうアイデアマン、平成元年からのデータをもとに確立した「旭ビ施肥設計」を自在に操る者、社長3代に仕える45年勤続の武者等もいます。
また、弊社HPのブログやFBで「旭ビ教養講座」を公開していますが、これは農学だけでなく、医学、生物学、物理学等を駆使して、世の中の様々な事象を分かりやすく解説したものです。特に、「第69回 旭ビ教養講座・・・イチゴの花芽分化と北海道最新情報」は、元農業改良普及指導員で現苫東ファーム株式会社 顧問の松本勇先生が監修してくだいましたので、イチゴで困っている方は是非お読みになることをお勧めいたします。
さて、弊社イベントの今年の予定ですが、「第6回 旭ビガレージセール」の開催を新型コロナ感染症の第8波が過ぎ去った頃、令和5年7月上旬に予定しております。今回は、「農ポリ・マルチお買い得会場」を増設し、昨年まで行って参りました「農業資材会場」「ポリ袋会場」と合わせ3か所で行う予定です(「旭ビガレージセール」と隔年で行って参りました「旭ビ勉強会」は2018年11月が最後となっておりますが、もう少し安全になるまで開催は見合わせようと思います)。
今年もどうぞ宜しくお願いいたします。
株式会社旭川ビニール 代表取締役社長
北海道農業資材商業会 会長
大谷泰一
写真は、「旭ビの7人」を陰で支える本社・農業資材部事務職員と加工場スタッフ「旭ビ裏の7人」(北海道経済「北を拓く」から2023年1月号p63)。